にじいろほっかいどうのりょーすけです。
標題について、SNS上で話題になっているようなので、少し書きたいと思います。
11月14日(土)にも、公式サイトからお問い合わせをいただいておりました。
6色のレインボーフラッグに白い三角形が描かれているこの旗は、過去に札幌で開催されていたパレードである「レインボーマーチ札幌(1996年-2013年)」で作成したものです。現在開催されている「さっぽろレインボープライド(SRP)」の前身(別団体)にあたります。
今から約20年前、2005年7月に、イランで16歳と18歳のゲイカップルが絞首刑に処されるという事件がありました。日本でも大きく報道され、目隠しをされて首に縄をかけられるというショッキングな写真がネット上に出回りました。
「レインボーマーチ札幌」実行委員会では、その年の9月に行われた「第9回レインボーマーチ札幌」で、絞首刑にあったゲイカップルや、バッシングを受けて亡くなった方々、HIV/AIDSで亡くなった方々への黙祷を捧げました。(下に、当時作ってパレード参加者に配ったビラ(一部加工)を載せました。)
このあと実行委員の中から、亡くなった方々への追悼を続けていこう、ということになりました。6色の虹色の旗に、追悼の意味を込めた白い三角形を加えた、札幌独自のフラッグを作ることになり、次の年のレインボーマーチ札幌(2006年)から掲げられました。
当会のフラッグは、このときのものをそのまま使っています。
2013年にレインボーマーチ札幌が終了し、当会はそのあとすぐから活動を始めたのですが、その時にフラッグをゆずりうけたのです。それから、当会主催の講演会やイベントの時に、このフラッグをずっと掲げています。
問い合わせをいただいた際、「にじいろほっかいどうは『トランスジェンダーや有色人種を排除している』という意見が出ている」という話を聞き、正直驚きましたが、確かに、20年前に私たち(私は当時の実行委員です)が考えていたこと、やったことなんて、誰も覚えていないよな、と思い直した次第です。
当時は、追悼の意味を「加えた」フラッグだったのが、今ではトランスジェンダーや有色人種が「除かれている」と感じるフラッグに変わっている。
今回のSNSで話題になったことを見て、20年という時の長さを実感しました。なんだか、感慨深いです。
20年前に私たちが札幌で感じていたことは、もうすでに歴史の闇に消えています。今回話題になったことで、私も思い出して、当会のフラッグについて書きましたが、何もなければ、書くこともなかったでしょう。
フラッグについて、話題にしてくれて本当にありがとう。「トランスジェンダーや有色人種を排除している」かどうかは、当会の活動を見てご判断いただければと思いますが、当会のフラッグにはこのような来歴があることを知っていただければと思います。
…余談ですが、さすがに20年使ってきて、このミシンで縫った手作りのフラッグも老朽化が激しいのです(笑)新しいフラッグを作るときは、今回のことを参考にして作りたいと思います。